いなアグリチャンネル
遊休農地問題と農地再生事業
伊奈町を愛するみなさん、こんにちは。ジョーです。伊奈のお米、食べてますか?
というわけで今回から何回かにわたって、町の農地再生事業で誕生した「奇跡のお米」の誕生秘話を語っていこうと思います。文化祭などではたくさんの住民の方にお手に取っていただいたので、名前だけはなんとなく覚えてるという方も多いのではないでしょうか。
「奇跡のお米?ふざけた名前だなあ」と思ったそこのアナタも、この誕生秘話を読み終える頃にはきっと感動で涙が流れていますので、ハンカチを片手に読み進めてくださいね!
なお、映画にもなった「奇跡のリンゴ」とは何の関係もありませんし、いわゆるパクリでもないのでその点ご承知おきください!
(文化祭での奇跡のお米販売の様子)
近年、全国的に遊休農地(耕作されなくなった農地)の増加が問題となっていて、伊奈町も例外ではないことは以前お伝えしたところです。
農地というのは単に食料を生産するだけでなく、景観保全や災害対策にも大いに貢献しています。緑あふれた景色を眺めていると心が穏やかになりますし、田んぼの存在が洪水対策に一役も二役も買っているのはよくテレビなどでも取り上げられますよね。
ゆえに、農地を保全していくことは国民の食生活を支えるのみならず、快適な環境で暮らすという欲求を満たすことにもつながっていくわけです。
だからこそ国を挙げて遊休農地対策を進めているのですが、やはり全国全ての地域でうまくいくわけもなく、伊奈町においても手詰まりな状態が続いていました。
農業従事者の高齢化が進み、リタイアする農家が続出していく中で、現在の担い手だけではやはりどうしても対応しきれない状況です。
このままでは伊奈町の農業は本当にダメになってしまう。どうにかこの問題を解決できないか。まずは解決の糸口だけでもつかめないかと、様々な手法でこの局面に立ち向かおうと考えました。
そこで新たに誕生した我々アグリ推進課の新施策のひとつとして、今年度から「農地再生事業」をスタートさせ、現状を打破するべく動き出したのです…!
(遊休農地問題は日々深刻化しています‥・)
農地再生事業とは、簡単にいえば遊休農地を耕作できる状態に戻して、農地として復活させる取り組みです。
しかし、ただ雑草を処理したり、耕耘したりして耕作できる状況に戻しても、その後に実際に作付けをする人がいなければ意味はありません。放っておくとすぐにまた雑草が伸びてきてしまいますからね。農地を復活させてハイ終わりではなく、担い手に引き継いでこその農地再生であると我々は考えています。
引き継ぐからには、良好な状態で引き渡したい。実は雑草の処理さえすればOKというわけではなく、雑草が長期にわたって繁茂すると、土壌の成分も悪くなってしまうのです。なので草刈りだけして別の人に引き継いでも、土が悪いため良い作物が育ちにくく、結局そういう場所からは担い手は離れてしまいます。引き継ぐ前に何回か作物を作ったりして、土壌成分を回復させることも事業の一部に組み入れる必要があると考えました。
となると、協力者の存在が不可欠です。アグリ推進課では残念ながら直接作物を栽培するノウハウがありません。この無謀とも見える新たな試みに賛同してくれる農家さんは果たしているのだろうかと不安が募っていました。そこに朗報が舞い込んできたのです。
大針地区の農家の団体である「大針直売組合」が、伊奈町の農業を守っていくため、ぜひ事業に協力したいと申し出てくれたのです。彼らは農業のプロの集団です。遊休農地を復活させ、大針直売組合にしばらく耕作してもらう。そうして土壌が元通りとなったところで、他の担い手に引き継いでいく。そんなビジョンが見えてきた瞬間でした。
今回はPART1ということで、プロローグの部分をお伝えしました。PART2では町と組合に立ちふさがる困難と、それを乗り越えるまでの激闘のドラマをお伝えしたいと思います。続編をお待ちください!!
なおPART2に行く前に、次回は小休止ということで、ちょっとのほほんとした記事を出そうと思います。今が旬の野菜を使って料理に挑戦しますよ~!お楽しみに!!