日本薬科大学からのお知らせ
ニューシャトル志久駅前のキンモクセイの香りがそこはかとなく漂い始める季節になりました。
キンモクセイの甘く、どこかノスタルジックな香りに、郷愁を覚える方もおられるのではないでしょうか?
10月と言えば、嘗て国民の祝日「体育の日」が10月10日であったというのはまだ記憶に新しいところかと思います。
厳しい残暑から漸く解放され、穏やかな気候の中、観客の大きな声援を受けて思いっきり競技に打ち込んだ運動会や体育祭の懐かしい思い出が、9月下旬から10月中旬にかけて咲く花、キンモクセイの強い芳香によって胸に去来します。
日常生活において「香り」とはどこからともなく舞い込んで来るような存在だと言えます。
何気なく香る花やふとした瞬間に呼び起こされた記憶の中の香りなど、誰しも一つや二つあるのではないかと思います。
好きな香りに包まれた生活は、心を豊かに、ゆったりと満ち足りた気分に変えてくれることが多々あります。
都会を離れ、郊外に赴き、一歩森の中へ分け入るとまるで心身ともに浄化されていくような心持ちになることがあります。
気のせい?と思いがちですが、実はこうした効果をもたらしてくれるのは、「フィトンチッド」と呼ばれ、樹木が発散する独特の芳香によるものだそうです。森林浴でリフレッシュできるといわれている所以は、清々しさや爽快感をもたらし、また多くの恵みを与えてくれる「森林の精気」であったようです。
ところで、皆様にとって好きな香りとはどのような香りでしょうか?
私達の生活の中には、天然成分から人工的に作られた香りまで、実に多くの香りがあります。数多の香りの中から自分だけのお気に入りの香りを探り出すのは一つの楽しみでもあります。
コロナ禍の中、10月より伊奈町では『伊奈町花いっぱい応援事業』がスタートしました。
この事業は、新型コロナウイルスの影響を受け、花きの需要が減少する中、学校や、県民活動センター等の公共施設等に花きを飾ることによって、ストレス緩和や生花生産者の生産性を高める効果が期待されることから、現在、町では地域の花などを買い取り、公共施設や社会維持に必要な施設等に提供する『伊奈町花いっぱい応援事業』を行っています。実施期間は10月から3月で、斉藤ローズ様のバラ、西川ゆり園様のユリ、セカンドガーデン様のシクラメンなどを本学に届けて下さることになりました。学生さんの登校日は限られていますが、玄関やロビーなどに飾ることによって、来訪者や教職員の目の保養と癒しになればと期待しています。
これまでにも本学では、6月のコロナ禍において需要が減った生花生産者を応援しようと伊奈町のアグリ推進課と協働し『伊奈町スマイルプロジェクト』を実施、いなナビ紙面にてその様子を記事掲載しました。
コロナ禍で中止となった事業に代わり、コロナ禍だからこそ出来る事業があることなど、多くの気付きがありました。
丹精込めて咲かせた生花は、生産者の手を離れ、更に多くの人々に観賞されることで、なお一層
喜ばれ、活かされることになるのではないでしょうか。
本学が、週替わりで届けられる花々と香りで満たされる様を想像するだけで、とても嬉しい心持ちになってきます。
これからも生花生産者をはじめ伊奈町民の支えとなり、地元に根差した大学として応えていけるよう尽力したいと思っています。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。