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日本薬科大学からのお知らせ

サクラの花にまつわる零れ話

ウエザーニュースによると、東京の開花予報は、観測史上最速の3月16日(月)になる見込みだそうです。都市部でのサクラの開花が加速される背景には、ヒートアイランド現象が少なからず影響しているといわれています。

 

サクラと言えば、伊奈町の『緑のトラスト・無線山さくらまつり』が、例年3月下旬から4月上旬に開催されていますが、今年は、新型コロナの感染拡大防止を受けて、伊奈町のさくらまつりと本学特別開放ツアーが残念ながら中止となってしまいました。昨年は125名の方が来学され、12階の展望回廊からの眺めや漢方資料館、薬用植物園の見学、学食での昼食、ローソンでの産学連携商品のご購入など皆さまに楽しんでいただきました。

 

そこで今回は、さくらまつりの代わりに、『サクラ』にまつわる零れ話のいくつかについてお話したいと思います。

 

ところで、皆さまは、「さくらの日」があることをご存知ですか?
財団法人日本さくらの会によれば、1992年(平成4年)3月27日を「さくらの日」と制定しました。「3(さ)×9(く)=27」の語呂合せと掛け算に由来したようで、以外と知られていないユニークな記念日です。

 

次に、「サクラ」という言葉からは何を連想するでしょうか?
お花見、入学式、桜餅、桜茶などなど、日本人には馴染みの深い語句がどんどん出てくると思います。


中でも「桜茶」は、和菓子と併せて出されることもある風情のある飲み物です。桜茶はサクラの香りを愉しむ他にも秘めたるパワーを持っていることが知られています。桜の花や葉には、「クマリン」という成分がたくさん入っていて、これが桜茶や桜餅が持つ独特の香りの正体です。この成分は、香りを発するばかりでなくリラックス効果や抗菌作用の他に、二日酔いの予防にも効果があるそうです。また女性に嬉しい紫外線防護、美白、コラーゲン保持などお肌に優しい作用もあるようです

このほかにも、桜の木の皮(樹皮)を乾燥させたものは、生薬の「桜皮」と呼び、湿疹や蕁麻疹などに有効な漢方薬(十味敗毒湯など)に配合されます。また、民間療法としては、できものや蕁麻疹などの皮膚疾患、解熱や咳止めなどにも利用されてきました。

 

このように日本人に最も親しまれたサクラは、「見てよし、食べてよし、クスリにしてよし」の良いこと尽くしの植物です。いろいろな思いを胸にサクラを愉しんでみてはいかがでしょうか?