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伊奈町の気になるあの人に聞いてみた!

伊奈町の塾長たちが教育を語る!伊奈町学習塾3校による座談会!

今回は、子どもたちの成長に欠かすことのできない《教育》をテーマに、志望校選びなども交えて塾長たちのリアルな声を取材してきました。


お子さまがいらっしゃるご家庭のみなさん、お子さまは塾に通われていますか?

また、ご自身は学生時代塾に通われていましたか?

 

そもそも塾に通う理由はなんでしょうか。良い教育を受けて良い進学をするため?

良い進学とは?もっというと教育とはなんでしょうか。

 

6月某日、伊奈町内宿台にある学習塾、《Creo Study伊奈(クレオスタディいな)》。

伊奈町で日々子どもたちの未来のため教育に向き合う3校の塾長たちが集まり、座談会が開催されました。

 

なかなか知ることのできない教育者側の本音トーク。様々な経験をされてきた3名による、リアルな声をお届けします!

 

 

◆伊奈町学習塾・座談会メンバー

 

中村 謙一 塾長(Creo Study伊奈)

 

黒澤 薫 前・塾長(スクールIE)

 

山田 慎太郎 代表(ジェイソン学習塾)

やわらかな雰囲気のCreo Study伊奈にて座談会がスタート。

■塾講師を始めたキッカケ・今抱いている思い

 

中村塾長(以下、N):最初からこの仕事をやろう、と思ったわけではないんですね。スタートは大学生でよくある塾講師のアルバイトでした。でもやりながら、教えることって楽しいな・人の人生に関われる仕事っていうのがすごく面白いな、と思うようになって。私自身、高校入試で失敗して16歳の時に浪人をしているんですけども、少なくとも(子どもたちが)15,16の春は泣かせないようにしたいな、という思いが根底にあったんだと思います。そこで子どもたちが行きたい学校について責任をもって指導すること、学力を伸ばしてあげることが私たちの責務なんじゃないかと真面目に考えるようになりまして、じゃあこれを一生の仕事にしてもいいかな、ということで、そのまま入社をして、というのがキッカケですね。

 

山田代表(以下、Y):私は元々母が英会話教室をやっておりましたので、そういった教育の環境というのが身近だったんですね。なので自然な流れで塾講師の道を歩み始めました。ところがこの業界に入るうえで若い子や子どもたち、私たちの年齢もそうですが(自分たちの地元に対する)勢いとかっていうのが全然感じられなかったんです。そこから、生徒が少しでも勉強を理解できるようになり自分に自信がついて、人や町のために動けるような人材というのを輩出したい、と願うようになりました。なので、当然成績アップという保護者からのニーズも第一にありますが、それを通して自分の成功体験を少しずつ増やしながら地元、もっと大きく言えば日本のためだったりとかに活躍できるような人材を輩出したいというのを常日頃思って仕事に励んでいます。ちょっとずれてしまったんですけど(笑)

 

黒澤前塾長(以下、K):最初は小学校のインターンも少しやってたんですね。そこで色々学ばせていただいて、やっぱり子どもたちと触れ合うことが非常に楽しく子どもたちの成長を見るのがやっぱりすごくやりがいのある仕事だな、と思いました。ただ、自分でいざ始めたとなると、学校の先生と我々の民間の根本的に違うのは「ニーズがなければできない」「ニーズにしっかり応えていかなきゃいけない」ことなんですね。なので(学習塾として)子どもたちに学力をつけさせることで、その子の夢の実現・自己実現をさせるひとつのお手伝いができるのかな、と。でその保護者に対しても(学力がつくという)ニーズに応えられるのかな、と。そんな形でやっています。

Creo Study伊奈・中村塾長

■志望校の選び方

 

N・・・【良い志望校】てなんだろう?その入り口が大事だと思っていて、(色々な考えがある前提で)単純に【偏差値が高い】学校が良い学校ではないと思っています。私が考える良い志望校の定義は、抽象的かもしれないけど(本人が)最大限能力を伸ばせる学校だと思っていて、その入り口を大事にしたいな、と思って指導に当たっています。

 

K・・・全く同じですね。難関進学校を狙えるような偏差値の高い子でも「工業高校に行きたい!」「商業高校に行きたい!」ていう子もいます。話を聞いてみるとしっかりと先を見てるんですよね。あとは公立第一志望の場合私立の併願校も受けますよね。その併願校を選ぶ時も、万が一そっちになった時も納得いく学校を選ぼうね、と話しています。偏差値が低い、滑り止めで入った、とかではなく自分が納得していける併願校を選ぼうね、と。そこでしっかり調べたり我々がいろいろアドバイスするんですけど、入ってから「やっぱりこの学校じゃなければよかった」「ほかの学校の方がよかった」と思うとその中で挫折してしまいますから、やっぱり納得いく学校を選んでもらうよう話をしてますね。

 

Y・・・私自身指導していてここ2,3年くらいで高校受験が変わってきたように感じています。今までは公立高校が多かったのが私立もすごく増えてきたな、という印象を受けていて・・・。公立より私立の方が質が良い、というわけではないんですが、進路指導の部分を見ると私立の方が今力を入れてるのかな、という感じはしています。やっぱり冊子だけじゃ雰囲気だったりとかは感じられないので、とにかく1校でも多く、説明会だけではなくて体育祭など生徒の普段の様子が見れるところに足を運んでみてほしいですね。

  

N・・・あと同じ流れで言うと、実際にそこの学校に行っている(生徒の)保護者の意見。それは参考程度にしてください、とお伝えしています。実際に自分の目で見て確かめて、雰囲気だったり生徒だったりをよく見てくるように、と言っているんですが、それ大事ですよね。

 

一同・・・うん、大事です。

 

N・・・それはそれで根底にあるとして、今の学力から考えて最大限の努力で届く、という視点もまた必要ですよね。だからたとえば中3の今の進路指導をするならば、北辰ももう始まってますけど、今の偏差値でどうのこうの、っていうのはちょっと・・・。

 

K・・・先ほどの話に繋がりますが、まず志望校と今の自分のギャップはどれくらいあるのか、その間にあるのは【努力】で、努力して自己実現させることでその達成をしたということがすごく財産になるんですね。

 

一同・・・そうですね。

 

K・・・この時期(14,15歳)にそれをやるかどうかというのがすごく大きいと思います。よく中高一貫のところへ行った子はそこで勉強しなくなっちゃう、ていう子もいるんですけども(笑)、どうしても受験しなきゃいけない子は試練としてそれをプラスに考えて自分を伸ばす、成長させるキッカケなんだよ、という話はするんですけどね。先生方もお分かりかと思うんですけどやっぱり受験を終えた子たちって成長してますよね?それってすごく大事だな、と思いますよね。

 

一同・・・うん、確実に。

 

Y・・・塾として難しいかもしれませんけど、受かった子だけが成長しているわけではなくて、第一志望に受からなくても併願校へ行ってそこで努力をすることですごく目覚める子もいますし、そこに立ち会えるというのはすごくやりがいがあるというか、私たちが“仕事”としてやっていることではありますけど、本当に貴重な時間なんだな、という気はしますね。

 

K・・・先ほど山田先生がおっしゃっていた「最近私立が人気が出てきている」というのも、私立学校はそれぞれ個性があるから自分に合うところを選べるんですよね。それに私立の方がしっかりと指導してくれることが多い印象があります。たとえ併願だとしても、しっかり選んでもらう。あとやっぱり最近ですけど、私立がもう底上げしてきてるんでね(笑)、今度は公立が二極化ですよね。公立の上位校か、学力が下の方。その間に私立が入ってきてる感じですよね。

 

一同・・・(頷く)

 

K・・・それも多様化で、公立高校にも努力してもらいたいし私立も頑張っている、そういう意味ではいい流れになっていると思うんですけどね。ただ、親御さんたちの感覚として私立はお金がかかる!というのがあるから公立第一で、という方も多いですよね。しかし今は授業料軽減措置(※各都道府県で違います)があるので。それでもある程度出さなきゃいけないですけど、昔と比べたら私立はずいぶん安くなってると思います。

結局はその子によってだと思います。私立でお尻たたかれながら頑張って自分を伸ばしていく子もいれば、公立でのびのびやりたい、っていう子もいるんで、やっぱりその子にあったところですよね。

 

N・・・そうですよね、どっちがいいとも断言できないテーマだと思うんですけれど。あとはドアtoドアで何時間かかうのか、も選ぶ基準のひとつに入りますよね。2時間越えたら部活出来ないよね、とかね(笑)

 

一同・・・そうですね。

 

 

スクールIE・黒澤 薫 前・塾長

■家庭での学習ポイント・親がどのようなアドバイスをしたらよいのか

 

K・・・今日本の教育が変わってきていて、《アクティブラーニング》っていう形になってきたんですね。詰込みではなくて、自分で考えて自分で判断してそれをどう表現するか、というような教育になってきているんです。大学入試なんかでもそういう傾向があるし、それに伴って高校入試も記述式と言って自分で書かなきゃいけない、ということは自分の考えをしっかり持たなきゃいけないんですね。うちの場合は、私が始めたころはまだ《アクティブラーニング》っていう言葉はなくて《発見学習》と呼んでいたんです。《教えられたこと》っていうのは抜けやすい。《自分たちで獲得したもの・発見したもの》っていうのは感動として心に残るんですね。心に残るから、忘れない部分が多いです。ただ問題は、その時は残るんですけど1週間2週間、あるいは1か月たつと・・・忘れちゃうんですね(笑)

 

一同・・・笑

 

K・・・今度は定着をさせなきゃいけない。ここで大事なのが、反復学習なんですね。自分が獲得(発見)したことを使って、繰り返し繰り返し反復をして、完全に自分のものだけにする。引き出しを多くする、というのかな。ということをさせなきゃいけない、ということで保護者には家庭学習大事ですよ、塾に来たら実は家庭学習が大事なんです、という話をします。

 

一同・・・(頷く)

 

K・・・だから家庭学習をやってくださいね、と面談の時なんかに言うんですが、その時は子どもたちも「やります!」と答えますが・・・やっぱりやらなくなるんですよね(笑)。それでそのあと1週間後に前習った内容の確認テストをやります。確認テストで自分が1週間かけて定着できたかどうかを確認するテストなんですね。あまりにも定着できていない、自宅で復習をしていなかった場合は残したりします。家でしっかり自分が習ったことをやってこないと残されちゃう、そのぐらいはある程度プレッシャーはかけますね。そうすることで自分で勉強する→確認テストができるようになる、というように、うまくいけばそれが自分の小さな成功体験になります。さっき言った努力の部分ですよね、それが自分もできるんだ、という自信ができるんですね。そうなりますと、もう自らやるようになります。「勉強しなさい」とペンを持たせるよりも、自らペンを持つような、そういう部分で教育がとても大事だと思いますね。知識の切り売りだけではない、そういう考えでやっています。

 

N・・・今の前半の話に付けたしをさせていただくならば、大学入試がまず目立ってますけど埼玉の入試もどんどん変化してきていますよね。例えば40点満点だったのが100点満点になって、時間・設問も変わらない、じゃあ何が変わったかというと1問あたりの配点が高くなっている。つまりそれは〇・×の間の△の割合が増えていて、〇に近い△か×に近い△かというえらい違い、それは何かというと記述力・表現力なんですね。普段からそこに注意を払って勉強していかなければならない、というのを指導でやっているんですけど、そこがひとつですね。あともうひとつは、さっきの定着するという部分ですね。いくら私たちがものすごくいい授業をやったところで、その子が家に帰って何もやらなかったら何も残らないんですよ。だから、塾に来ていれば安心ということではなくて、家庭学習の重要さを子どもたちはもちろん保護者の皆さまにもご理解いただいて、そのための仕組みはいろんな塾がさっきの確認テストみたいな話でたぶん色々工夫されてるはずなんで、そこをまずご理解いただきたいかな、と。

 

K・・・全くその通りですね。入塾希望のお母さんと面談するときに先に言ってますが、塾に入って陥りやすい罠っていうのがあるんですよ、と。それは例えば塾に入ったから安心、入れたからもう大丈夫。そうじゃなくて、実は塾に来るとさっき言った家庭学習だったり定着させることが大事なんですよ、と。だから安心はしないでくださいね、と。親としては行かせてるだけで大丈夫みたいな風に思っちゃうことがあるんですよね。

 

Y・・・(テストの)日程表作るじゃないですか?あれすごくいいシステムで、ただほとんどの子は計画倒れしちゃってることがあるんですよ。なので、うちでは学校と同じツールを使ってもう一度テストまでの2週間のスケジューリングをしています。たとえば3日間を振り返って3日間自分が思った通りに出来てたか、というような感じですね。ちょっとテスト勉強っていうところからは外れてしまいましたがこれは大人になってからも必要で、ToDoリストだったりとかスケジューリングは基礎中の基礎のお話しになりますよね。これはもう彼らには絶対に身につけてほしい能力であるので、そこを私はかなり細かく言っています。

 

一同・・・(頷く)

 

 

ジェイソン学習塾・山田 慎太郎 代表

Y・・・自宅の勉強方法に関しては、おふたりの先生とちょっと違うのは、自宅ってかなり誘惑がありますよね。昔と比べてパソコン・タブレット・スマホ・電話・・・だったりとか、今のご家庭の中には、みんなが話が出来るようにリビングで勉強させてるところもあります。これをもうゼロから私が全部覆すっていうのはすごく難しいので、であれば、良いか悪いかは別として、自宅ではもうやらないで塾に自習に来てください、ていう風に今は促しています。できる限り塾に来てもらって、自宅でできる勉強・自習を塾で全部やってしまおうと。その分ご家庭の中ではお母さんからそこまで言われないで良いようにする、という形を今は取っています。あとよくお母さんに言うアドバイスとしては、「勉強しなさい」ではなく具体的に言ってください、とお願いしているんですね。例えば勉強しなさいだけだと5教科の中でもなんでも良いわけじゃないですか。なので数学だったりとか塾で出されてるもの(数学の式や社会でいえば縄文時代のとこだったりとか)でやりなさい、という指示をお子さんに出してくださいね、というお話は今うちのほうでやってます。

 

N・・・定着できるよう学習できるのであれば、場所はどこでも良いと思うんです。勉強苦手な子の場合、自分が何をやったらいいかわからない、というのがそもそも問題で(笑)。そこをサポートするのがわたしたちの役目だと思っています。例えばさきほどのスケジューリングもそうですし。

 

K・・・結局どこでつまづいているか、ですよね。例えば数学において中3の二次関数ができないと。じゃあ中2に一次関数なのか、中1の比例反比例なのか・・・。事実を出して、目標を持たせるようにする。ここはここまでにやろうか、ここは夏休みにやっつけちゃおうか、とか、そういう具体性がすごく必要なんじゃないかな、と思います。あとさきほど場所の話があったんですけれども、うちも自宅でできないときは自習にきてやってください、ということで塾を解放しているんです。ただおもしろいのが、最近の子どもたちってリビングでやりたがる。安心してリラックスできる場所のほうがやっぱり勉強できるのかな、と。家族もそういうような環境を作ってあげたり一緒に見守ってくれたりすると今の子は安心するみたいですね。ただ親としてはまたそこでちょっかい出したい、そうすると子どもは嫌になっちゃうんで、そういう場合は塾に来て自習室で勉強しなさい、というように言ってますね。色んな使い方があって、家でやりやすければそれでよい、子どもがやりやすいところでやるのが一番いい、と。

 

一同・・・そうですね。

 

K・・・子ども自身も家にいると、リラックスするのはいいんだけど家にいるとどうしても誘惑があるし、ゲームもあるし携帯見ちゃうしテレビ見ちゃうしで、その辺は面談で話をして目標を持たせて、ちゃんと話せば子どもたちも弱点、というか課題がわかるんで、(誘惑がたくさんある時は)塾に来て勉強するよ、と自分から言ってくれます。子どもって意外とそういうの守ってます。だからそれを引き出すことが大事かな、と思っています。

皆さん、子ども・教育に対する思いを熱く語っています。

■最後に、今後の伊奈町の塾について

 

N・・・求められる塾っていうのが変わってきてますよね。その中で、自分がキーワードとして持っているのがさっきの自立とか、こちら側の立場で言うと教育コンサルみたいな。子どもの自立、自発性を促して、自分で勉強に取り組むという姿勢、その辺がキーワードになってきているはずなんですね。それにどうやって対応していくか、というのは手探り状態で、うちなんかそうなんですけど、その中において色んな塾があるのは良いことだと思うし、自分でいろいろ考えてやりたいな、と思って色んな事をやっています。だから伊奈に限定してしまうと難しいんですが、求められる塾の像が変わってきている以上、色んな塾があって、色んな形態や色んな預かり方があって色んな指導メソッドがあって、そういう中で選んでいただく、でいいんじゃないかな、と。

 

一同・・・(頷く)

 

 

 

終始和やかなムードで座談会は進み、無事終了。

普段なかなか聞くことができないような塾長同士の座談会。どの塾長方も子どもたちの未来を考えて一生懸命指導してくれていることが伝わってきた貴重な時間でした。

3校とも随時塾見学を受け付けているので、気になる方はぜひ足を運んでみてくださいね!

 

 

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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