日本薬科大学からのお知らせ
皆さんは、蓮の花をご覧になったことはありますか?
写真や絵画、映像など一度はご覧になったという方も多いと思いますが、
本物の蓮をご覧になった方は少ないのではないでしょうか?
その理由として蓮は、7月~9月に開花期を迎え、7月中旬~8月中旬に見ごろを迎えますが、
蓮の花は短命で、花びらが開きはじめてから3~4日で散ってしまうからです。
また午前中に咲いた花は午後には閉じてしまいます。
満開の花を観賞するには、開花2日目の朝7~9時頃がおすすめだそうです。
蓮は、約1億4000万年前から地球上に存在していたと言われ、インド、中国、オーストラリア、
日本などの温帯~熱帯域の湿地に広く分布する水生植物です。
また、花と実を同時につくるため、仏教では「花果同時(けかどうじ)」といい、不思議で珍しい植物なのです。
根はお馴染みの「蓮根」、花を支える花托は「ハチス(蜂巣)」と呼ばれ、葉っぱや芽など植物全体が
食用や薬用、様々な方面で利用されてきました。
ところで、私達日本人は、蓮の花とお葬式を関連付けてイメージする方もいますが、
中国には、「蓮は泥(でぃ)より出でて、泥(でぃ)に染まらず」という諺があります。
お釈迦さまは、『人は悲しみや辛さ、大変なことを経験してこそ成長できる』と説いています。
転じて、私達も人生の目標や夢をもってしっかり歩んでいけば、その願いは必ず実る
ということでもあります。
蓮の花全体の花言葉は、『清らかに咲く神聖な心』で、清らかなイメージや宗教の
神聖なシンボルに影響されて生まれた花言葉は、西洋から中国にまで見られます。
日本の花言葉の多くもそれに準じています。
泥の中で育ち、美しい花を咲かせる蓮は、国や宗教を超えて“神聖なイメージ”を
連想させるようです。
蓮に対しての豆知識をもって改めて観賞すると、1本の茎にひとつの花しか咲かない蓮の花は、
天を仰ぎ凛とした美しさを持ち合わせ、正に極楽浄土に咲く花を彷彿させます。