ここが私のanother広報いな
県立伊奈学園総合高等学校吹奏楽部は、開校と同時に創部され、現在までに全日本吹奏楽コンクールや全日本アンサンブルコンテスト、全日本マーチングコンテストなどの数多くの大会で優秀な成績を収めてきました。定期演奏会や海外での演奏、テレビ出演など、演奏活動は多岐にわたり、年間20,000人以上の観客の前で演奏しています。また、バラまつりやいなふるさとフェスティバルなどの町内のイベントにも多数ご参加いただいています。現在、中学校・高等学校あわせて300名以上の部員が「音楽しよう」をモットーに活動しています。
このほかにも多数の大会に出場し、優秀な成績をおさめています
伊奈学園吹奏楽部は出場する大会別に、全日本吹奏楽コンクールに出場するウィンドアンサンブル(WE)、全日本吹奏楽大会に出場するコンサートバンド(CB)、全日本マーチングコンテストに出場するマーチングバンド(MB)の3チームに分かれています。
今回は、最後の大会を終えて部活を引退した各チームのリーダーと伊奈学園吹奏楽部顧問の宇畑さんにお話を伺いました。
インタビュートップバッターの竹内さん
今年の大会を振り返って
地区大会・県大会は悔いが残る演奏でしたが、最後の全国大会で気持ちの良い演奏ができました。全国大会の演奏中、気持ちが入ってみんながひとつになったような気がしました。
卒業した後は音楽を続けますか?
学校から貸してもらっている楽器で演奏していたので、卒業後は吹奏楽から離れることになると思います。
ちなみにご自身の楽器は?
「オーボエ」(高音の木管楽器)です。とても素敵な音です!
チームとして練習で意識したこと
WEは3チームの中で約50人と一番人数が少ないので、誰か一人でも調子を崩したり、気持ちが沈んだりしてしまうと全体の演奏がうまくいきません。自分も含めて全員が常に同じ方向(目標)を向いて演奏するのを意識していました。
普段はどんな音楽を聴きますか?
吹奏楽を聴くときもありますが…Little Glee Monsterとかよく聴きます(笑)
先輩方の成績がプレッシャーになることは?
ありました。今年でいうと、全国大会に行く前の西関東大会でトップ3校に入る必要があったので、伊奈学園吹奏楽部の伝統が頭に浮かんで緊張しました。全国大会も緊張はしましたが「自分たちがやってきたことを出しきるだけだ」と割り切れていたと思います。
後輩部員たちへ
つらいこともたくさんあると思いますが、自分たちの音楽を待ってくれてる人たちが必ずいるので、その人たちに支えられていることを考えて頑張ってほしいです。
インタビュー風景
胸のバッチはなんですか?
伊奈学園吹奏楽部の部章です。入部と同時にもらえるものです。
今年の大会を振り返って
大会に向けては、夏の初めから練習を始め、準備をしてきました。先日の横浜大会は、自分たち3年生の最後の大会で、中には人生最後の演奏になる人もいたので、より気持ちが入っていましたし、最高の演奏ができたと思います。
一番人数が多いチームのリーダーとして意識したこと
CBは100人を超えるチームなので、10パートの各リーダーがしっかりと協力しないと回っていかないんです。チームのリーダーは部員全員に目を配っておく必要があるので、全体を見て声掛けをしたり…すべてができていたかどうかはわかりませんが、全力で頑張りました。
卒業した後は音楽を続けますか?
私はサックスを吹いていたので、卒業後はジャズをやりたいと思っています。将来は音楽関係の仕事に就きたいので、音楽が学べる大学に進学したいと思っています。
サックスを選んだ理由は?
小さいころにジャズライブを見に行ったのがきっかけです。ジャズプレーヤーにあこがれてサックスを選びました。
後輩部員たちへ
これから夏の大会に向けて土台を作る冬の練習期間になるので、ひとつひとつ積み重ねていってほしいです。最終的には最高の賞を獲得して、伊奈学吹奏楽部の伝統をつないでいってほしいなと思います。
今年の大会を振り返って
最後の大会の県予選は練習不足で自分たちの思い描く演奏ではありませんでした。西関東大会で取り返さなければと一度士気が上がりましたが、全国大会前は再び焦りと不安でうまくいきませんでした。
本番がうまくいった理由は?
実は本番直前のリハーサルまで音や動きがひとつにならなかったんです。本番前は強豪校が周りにいる中で音出しをしなければならないので、みんな固くなってしまっていたのですが、最後の最後、自分たちだけのリハーサルのとき、音がパシッと合いました。これはいけると全員が思ったと思います。「このままいくしかない!」と本番に臨めました。
リーダーとして意識したこと
自分が一番弱音を吐いてはいけないと思っていました。練習を時間で区切るのではなく、「ここまでやろう」と1日1日目標を決めて取り組みました。マーチングは楽器を吹きながらフォーメーションを組んだり、ダンスを行います。マーチングは演奏だけでなく見た目でも「すごい!」と思わせることができます。演奏練習に加え、動きの練習もあるので、体力的に大変なときもありました。
振り付けは誰が決めるのですか?
最初は振り付けの先生に動きを決めてもらいます。練習中に自分たちで修正することもあり、意見を出し合うのですが、個々の主張がはっきりしているのでそれぞれがぶつかり合うことも多々ありました。
普段はどんな音楽を聴きますか?
SEKAI NO OWARIが好きです。オーケストラとかは意外と聴かないですね(笑)
後輩部員たちへ
つらいことも大変なこともたくさんあると思いますが、その先にはすばらしい景色が待っているので、自分たちらしく、自分だけの花を咲かせてください!
各チームが優秀な成績を収めたましたが…
すべては生徒ひとりひとりが努力した結果だと思います。うまくいかないこともありましたが、全員が“花を咲かそう”とした結果が出たんだと思います。今年は部活動の時間が文部科学省のガイドラインで短くなったので、そもそもの練習の構成から作り直す必要がありました。私自身も苦しかったし、生徒もきつかったのではないでしょうか。
練習時間の少なさをどう打破したのですか?
練習のひとつひとつをいかに短縮できるか、早く・計画的に行うことを意識しました。練習方法など、今までやってきたことが通用しなくなりましたし、能率を上げようとすると身が入らなかったりするんですよね…。一本ドラマができるくらいの1年間でした(笑)
今年の部活動で印象に残っていること
たくさんありますが、やはり最後の大会は全チーム良い演奏だったと思います。私はいつも特等席(指揮者として)で音楽を聴いていますので、幸せな時間でした。
文化部の中の運動部と言われるワケ
吹奏楽や体操、書道、ダンスなどの作品を作り上げる部活動はかなり成果が出るまでに時間がかかります。吹奏楽は体力も必要なので、これが文化部の中でも運動部に近いと言われる理由なんだと思います。中でもマーチングはかなり運動量が多いです。
毎年優秀な成績を収める秘訣はありますか?
よく「今年のチームはどうか?」とか「全国大会行けそう?」とか聞かれるんですが、毎年毎年生徒と一緒に頑張っているだけなので自分が一番わかっていないのかもしれません。私は「生徒のいる」学校が好きです。試験休みや長期休みの時の学校は寂しいですし、生徒がいて笑い声や生活の音が聞こえてこそ学校なんだと思います。だから、秘訣と言うのかわかりませんが、できるだけ長く生徒と一緒に汗を流して、生徒の頑張りを支えることが大切だと思っています。
先生が演出や演奏曲を考えているのですか?
生徒の中に演出を考える係がいます。自分も考えますし、色んな人から意見を聞きます。選曲も生徒だけだと最近の曲ばかりになるので、私と半々で決めたりなど、いろんな人に楽しんでもらえるように、話し合いながら決めていきます。
OB・OGの存在
衣装は手作りなんですが、卒業したOB・OGたちが作りに来てくれたりもします。OB・OGの存在はかなり大きいんです。生徒たちへの具体的な演奏のアドバイスだけでなく、同じ道をたどってきてしんどいところがわかるので、私の知らないところで部員たちを支えているのだと思います。“人の力”が伊奈学園吹奏楽部の財産だと思います。
「音楽しよう」「花を咲かそう」に込めた想い
「音楽しよう」は、自分から動いて欲しい、教師主導でなく自主的に部活動に参加し、音楽に向き合ってほしいという想いが込められています。「花を咲かそう」は、人数が多い部員の中で1軍2軍などなく、自分なりのタイミング・大きさで自分自身を開花させてほしいと思い、よく使っている言葉です。
引退した3年生のみなさんへ
社会に出ると良いことばかりではありませんが、高校時代の思い出はずっと心に残っていると思うので、しんどいことがあってもこの部活動の記憶を思い出して頑張ってほしいです。