伊奈町の文化財
鎌倉時代に書かれた貴重な仏書の文字力。
伊奈町小室の法光寺に所蔵されている守覚親王の書は、鎌倉時代、後白河天皇の第2皇子・守覚法親王が著した墨跡で、関東には他にない貴重なものです。
文政11(1828)年成立の新編武蔵風土記稿でも紹介され、昭和43(1968)年3月1日に町の有形文化財に指定されました。
守覚親王の書のある法光寺(金亀山 阿弥陀院 法光寺)は、ニューシャトル丸山駅から徒歩15分ほどのところにあります。
県道蓮田・鴻巣線、のぞみ病院近くのこちらの看板が目印。ここからさらに400mほど進むと法光寺の大きな山門が見えてきます。
法光寺の歴史は古く、延暦10(791)年に坂上田村麻呂により創建、開山は宥覚上人と伝えられています。
もとは天台宗に属し、泉福寺(桶川市)の末寺でしたが、永禄6(1563)年弘覚和尚の代に徳星寺(上尾市)と所属宗派を交換し、真言宗になりました。
その後、明治27(1894)年までは醍醐寺(京都)の末寺に。同年、融覚和尚の代に智積院(京都)の末寺となり、現在に至ります。
ご本尊の阿弥陀如来像が安置されている本堂は、平成18(2006)年に改築されました。
金色に輝くこの阿弥陀如来像は、鎌倉住人運慶の作と言われています。
他にも江戸時代の仏像が並ぶ本堂の中に、守覚親王の書は所蔵されています。
「南無大師遍照金剛」と力強く、あざやかに大書された守覚親王の書。住職にお願いをすれば閲覧することができます。
守覚親王は、北院流、三宝院御流の書をよくし、仏書の著述が多いことで知られています。生年、久安6(1150)年3月4日、没年、建仁2(1202)年8月25日。仁和寺6世門跡で、後白河天皇の第2皇子、母は高倉三位局です。
このほか、十三仏板石塔婆など貴重な文化財を保存している法光寺にお出かけください。
所在地 | 埼玉県北足立郡伊奈町小室4228(法光寺) |
その他 | 駐車場あり |
文化財指定 | 伊奈町指定有形文化財(書跡) 昭和43(1968)年3月1日指定 |