伊奈町の文化財
梵字で表された十三仏、厳かで貴重な500年以上前の板碑。
伊奈町小室の法光寺内にある十三仏板石塔婆は、永正3(1506)年11月23日に建てられた500年以上も前の板石塔婆(板碑)です。
十三仏板石塔婆は、十三仏信仰が盛んだった室町時代のものが多く、現存するものでは大変貴重な資料として、昭和54(1979)年11月1日に町の有形文化財に指定されました。
十三仏板石塔婆のある法光寺(金亀山 阿弥陀院 法光寺)は、ニューシャトル丸山駅から徒歩15分ほどのところにあります。
県道蓮田・鴻巣線、のぞみ病院近くのこちらの看板が目印。ここからさらに400mほど進むと法光寺の大きな山門が見えてきます。
法光寺の歴史は古く、延暦10(791)年に坂上田村麻呂により創建、開山は宥覚上人と伝えられています。
江戸時代には、伊奈町の名称の由来でもある伊奈家の鬼門よけの寺として信仰されました。さきの山門は明治初期に伊奈屋敷表門を移築したものと言われ、馬の背にまたがってもくぐれるほどの山門の高さは、昭和60(1985)年に改築された現在の山門にも受け継がれています。
山門を入った右手にある六地蔵は、寛文12(1672)年に建立されました。
6体の左端のものは、伊奈忠之が父・忠隆(伊奈家3代忠勝の弟、旗本となる)(あるいは父母)の追善のために建てたものと言われています。
十三仏板石塔婆は、六地蔵・鐘楼のもうひとつ先の通り、石仏が並ぶ一番右にひっそりとあります。
高さ115cm、幅54cmの薄い板石塔婆の表面には、蓮に乗った十三仏の梵字(上部が欠けているため確認できるのは十二仏)、装飾(三具足、前机)、建立した日付(永正3年11月23日)、建立した11名の人名が記されていることがわかります。
このほか、守覚親王の書など貴重な文化財を所蔵している法光寺にお出かけください。
所在地 | 埼玉県北足立郡伊奈町小室4228(法光寺内) |
その他 | 駐車場あり |
文化財指定 | 伊奈町指定有形文化財(考古資料) 昭和54(1979)年11月1日指定 |