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伊奈町のんびり散歩

世界の電波を受信した無線山~さいたま緑のトラスト保全第13号地を巡るコース


 大宮駅からニューシャトルで約20分。伊奈町のほぼ中央にある「伊奈中央駅」から出発します。伊奈町にはかつて世界中から届く電波を受ける「小室受信所」があり、その痕跡が点在。また、跡地の一部は「さいたま緑のトラスト保全地」として一般開放され、美しい自然林の中を散策できます。

 

【ルート】

1.伊奈中央駅→2.遊歩道→3.自然観察林→小室受信所の跡地(4.説明板→5.電波塔や木柱アンテナの基石)→6.緑のトラスト保全第13号地「無線山・KDDIの森」(7.桜並木・無線山さくらまつり会場→8.散策路)→9.志久駅

伊奈中央駅から遊歩道をのんびり


 伊奈中央駅のロータリーからニューシャトルの高架に沿った道路には、遊歩道が整備されています。春にはサツキが開花し、ピンクの花の絨毯が続くほか、初夏にはナツツバキ(シャラノキ)、初冬にはサザンカなど、季節の花々が咲きます。ところどころにベンチが用意されているので、腰をかけてのんびり花木を眺めるのもおすすめ。秋にはカエデの紅葉がきれいです。

伊奈中央駅から伸びている遊歩道。さまざまな花木が目を楽しませてくれる

四季折々の風景を楽しめる自然林

町が管理している「自然観察林」。散策路を自由に散歩できる

 遊歩道の終点から県道311号線に入り、高架の下をくぐります。「伊奈町上下水道庁舎」を通り過ぎた左手に「自然観察林」の看板が立っており、武蔵野の面影を残した自然林の中に散策路が伸びています。夏にはカブトムシやセミを探したり、秋にはドングリやマツボックリを拾ったりする子どもたちや家族の姿が見られ、季節の移り変わりを実感できる場所。自然林をいったん抜けたところには畑が広がり、懐かしい里山の風景に心が洗われます。

駅から歩いて約10分で畑や雑木林が広がる里山の風景に出会える

日本の国際通信の歴史を伝える受信所跡


 自然観察林から「青葉通り」に出ると、金網フェンスの中は「日本薬科大学」の敷地。左手に「小室受信所」の説明板が立っていて、この一帯がその施設があった場所だとわかります。くわしく読むと、小室受信所は昭和9年(1934)、「国際電話株式会社(現KDDI株式会社)」の受信所として開所。地球の裏側から発信される電波も逃すことなく受けるために大規模な電波塔の設置が必要だったことから、広大な面積を確保できるこの地に創設されたのだとか。

青葉通り。小室受信所の跡地には現在、日本薬科大学や県立がんセンターなどさまざまな施設が建っている

跡地にいくつか残されている電波塔の基石。木柱アンテナの丸型の基石もある

小室受信所ではおもに外国からの電話受信や電波観測の業務を実行。また、昭和11年(1936)開催のベルリンオリンピックで水泳の前畑選手が活躍した際に「前畑がんばれ! 前畑がんばれ!」の実況音声を受信し、中継したラジオ放送が日本中を歓喜の渦に巻き込みました。昭和31年(1956)には南極観測船「宗谷」から電送写真を、その翌年には旧ソ連の人工衛星「スプートニク1号」から電波を受信し、世界のニュースをどこよりも早くキャッチする施設でした。

小室受信所の正門だった門には、その名前が入っていたプレート跡が残る

旧正門前の樹齢70年以上の桜並木。春にはピンク色のトンネルをつくり、受信所を訪れる人を出迎えたのだろう

 当時は高さ約100メートルの電波塔5基や木柱アンテナが林立し、地元の人々に「無線山」の呼び名で親しまれていたのだそう。しかし、国際通信が海底ケーブルや衛星を利用するようになったことで、昭和62年(1987)に閉所。跡地の建物は「KDD研修センター」として使用された後、平成16年(2004)に日本薬科大学が開学。金網フェンスに沿って歩くと、敷地の中や道路脇に電波塔や木柱アンテナの基石を見つけられ、かつてのその存在を感じられます。

サクラ並木のそばには「乗馬クラブ クレイン伊奈」があり、レッスン風景を眺められる

サクラの枝が地面近くまで伸びているため、花を間近で見られる。3月下旬~4月上旬には「無線山さくらまつり」が開催

緑のトラスト保全地の自然林を散策


 「OGMゴルフプラザ伊奈」をぐるりとまわりこんだ先に、小室受信所の旧正門。ここにつながっている道に当時からのサクラ並木が続き、春には近隣の人々が花見に訪れます。また、そのサクラ並木と隣接のコナラやモウソウチクが茂る自然林は、平成28年(2016)から緑のトラスト保全第13号地「無線山・KDDIの森」として一般開放。自然林の中の散策路を行けば、深い木立に取り囲まれ、とても静かでどこか遠くまで来てしまったような気分になります。

埼玉の自然や歴史的環境を残す「緑のトラスト保全地」として整備された無線山・KDDIの森。小室受信所の遺構の説明板が立っている

散策路ではKDDIの旧社名「KDD」の文字が刻まれた柱石も見つけられる

 こちらはふらりと気軽に散歩できるコース。散策路から道路に出ると、あとはゴールの「志久駅」まで徒歩約8分で到着しますが、もし時間に余裕がある人は15分ほど歩き、県道311号線「伊奈町上下水道庁舎」の斜め向かいにあるカフェ「森の音珈琲」まで戻ってはいかがでしょう。こちらには50年くらい前の無線山の風景写真があり、声をかけると見せてもらえます。無線山の森の静けさを思い出しながら飲むコーヒーは味わい深く、最高の一杯になりそうです。

お店のまわりにもコーヒーの香りが漂っている森の音珈琲。手作りのスイーツやサンドイッチなども評判

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