伊奈町のんびり散歩

バラの町・伊奈のバラ園とその周辺を巡るコース

2017/02/01

春のバラが咲き誇るバラ園　2016年5月の様子

　大宮駅からニューシャトルで約24分。終点の「内宿駅」から出発します。伊奈といえばバラの町。町制施行記念公園には埼玉県最大の「バラ園」があり、300種4,800株以上のバラを楽しめます。周辺には地産地消レストランや土産品が手に入る物産館もあり、ゆったりと過ごせます。

【ルート】

1.内宿駅→2.桂全寺→3.町制施行記念公園（バラ園→自然の池→林）→4.埼玉県県民活動総合センター（コバトン食堂）→5.伊奈町ジョギングロード→6.ウニクス伊奈（いな物産館）→7.羽貫駅

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内宿駅からゆかりの武将が開基した寺へ

大むくの木は町の記念物に指定。境内の裏には上越新幹線が走っている

　12月～1月に駅前ロータリーのヒマラヤザクラが開花する内宿駅から、まず「桂全寺」に向かいます。ここは戦国時代より北条氏に仕え、武将として活躍した春日八郎行光の後継ぎ、春日下総守景定がこの地に陣屋を構え、天文年間（1532～1555年）から永禄年間（1568～1570年）に開基したお寺。境内には春日家の墓があるほか、幹まわり約4.4メートル、高さ24メートル、推定樹齢約400年のむくの木が立っており、春日家の墓ともども、長い年月を経てきたからこその風格ある姿に圧倒されます。

内宿駅からすぐの桂全寺。春日家の墓は町の史跡に指定されている

バラ園の色とりどりの花を間近で観賞

バラは1年を通して大切に手入れされ、開花すると甘い香りが漂う。写真はオリジナル種のイナローズ

再び内宿駅前を通過し、「記念公園通り」を歩いて約10分。「伊奈町制施行記念公園」のアーチをくぐった先に「バラ園」があります。5月中旬～6月上旬と10月中旬～11月上旬に300種4,800株以上のバラがいっせいに咲きそろう様子は見事で、駅近くのため遠方からもたくさんの人々が訪れるそうです。赤色の大輪バラ「イナローズ」、かわいいピンクのつるバラ「イナ姫」はこのバラ園のために作りだされたオリジナル種で、ここでしか観賞できません。

昭和63年（1988）開園のバラ園。開花時期が過ぎても品種によっては咲いているものも

落ち着いた雰囲気の「自然の池」。ひと休みできる東屋もある

　町制施行記念公園では、6月上旬～下旬に花が咲く「アジサイ園」、木々が生い茂る湿地に木道が渡されている「自然の池」など、しっとりと落ち着いた雰囲気の緑の中を散歩するのもおすすめ。また、子どもたちが水遊びを楽しむ「水辺の広場」や、町の人たちがバーベキューを楽しむ「キャンプ場」のまわりの林も、春から夏にかけては緑、秋は紅葉が美しく、それらを眺めながらのんびりと一周するのも気持ちがよさそうです。

季節ごとに美しい林を眺めながら散歩できる道が続いている

けんかつのレストランで名物カレーを

　記念公園を出て、「伊奈学園中高校」前の「学園通り」を進んでいくと、右手に植栽に囲まれた「埼玉県県民活動総合センター（けんかつ）」が見えてきます。ここにはホールや体育館、研修室、宿泊室などがあり、地域の人々がさまざまな活動で利用しています。寄っていきたいのは県産食材を使った定食や丼、うどんを手頃な料金で味わえる地産地消レストラン「コバトン食堂」。名物は町内にある「日本薬科大学」学長特別監修の「特選薬膳カレー」です。

埼玉県県民活動総合センター。建物に入ると開放感たっぷりのロビーが出迎えてくれる

15種類のスパイスを煮込み、薬効を期待できる薬膳カレー。コクがあってマイルドな味わい

田んぼのジョギングロードをどこまでも

　お腹がいっぱいになったら、けんかつの裏手に広がる田んぼの中の「ジョギングロード」へ。綾瀬川に沿っていて、風景を眺めつつ歩くとどこまでも行けそうな気分になります。上綾瀬橋のそばには古代ハスの池があり、6月下旬～7月下旬にピンクの花が咲き誇るのだとか。秋には実をつけ、食べるとトウモロコシのような香ばしい甘みがあります。土手やあぜのあちこちには紫や黄色の小さな花々。田んぼを渡ってくる風がやさしく頬を撫でていきます。

田んぼの風景が遠くまで続くジョギングロード

ハスの実は薄緑から黒に変色し、皮が硬くなる。甘みがあるのはでんぷん質が豊富なため

いな物産館で町のおいしいものをお土産に

　榎戸橋で県道87号線に入り、伊奈学園中高校の交差点から「いな穂街道」を少し歩いて、ショッピングセンター「ウニクス伊奈」に到着。1階にある「いな物産館」では町内産の米「彩のかがやき」、収穫したての野菜や果物をはじめ、バラの花びらで作ったジャム、巨峰や梨を使用した伊奈ワイン、日本酒「伊奈備前守忠次」など特産品がいろいろ。バラのロールケーキやまんじゅうといったお菓子もそろい、どれをお土産にしようか迷ってしまいます。

伊奈町は果物栽培も盛ん。いな物産館には収穫の時期になると巨峰、桃、梨、栗、いちごが並ぶ

伊奈町観光協会が推奨する特産品の数々。好評なものが多く、贈りものにする人も

こちらのコースはランチをはさんで散歩をゆっくりと楽しめます。ゴールの「羽貫駅」までは歩いて約6分ですが、まだ時間に余裕がある場合はウニクス伊奈から歩いて約8分、1000坪の森の中にあるイノセントアートギャラリー＆カフェ「寧（ねい）」に寄り道してみませんか。手作りのケーキやコーヒーでほっと一息つくことができ、散歩の仕上げにぴったりの時間が流れていきます。