伊奈町の文化財
江戸時代前期の貴重な薬師如来像とそれを守護する十二神将像
薬王寺の本尊 薬師如来像(中央最上段の厨子の中) とそれを守護する 十二神将像
薬王寺に安置される 薬師如来像 と 十二神将像 は、江戸時代前期 延宝8(1680)年に制作された原形に近い珍しい仏像です。薬王寺のガラス扉越しに見学できます。薬師如来像は厨子(ずし)に納まり、特別な開帳以外は扉が閉じられています。十二神将像は、十二支の小さい像を頭に抱き、いろいろな武具とポーズで周囲を警戒しています。一体ごとに異なる躍動的なポーズと表情をご覧ください。昭和56(1981)年 1月20日に伊奈町指定有形文化財(彫刻)に指定されました。
薬師如来像と十二神将像の安置堂“薬王寺”
醫王山薬王寺の扁額をいただく
ニューシャトル志久駅から徒歩15分ほどの志久公民館。その敷地にある醫王山薬王寺に本尊 薬師如来像 とそれを守護する 十二神将像 が安置されています。醫王山の「醫」は「医」の旧字体です。薬王寺は明治4(1871)年に廃寺となりました。寺にあった薬師如来像と十二神将像は長く志久公民館内で保管されていましたが、昭和57(1982)年に安置堂“薬王寺”が完成し、そちらに安置されています。
最上段中央に構える厨子の中に薬師如来像
開帳時にしかお目にかかれない薬師如来像
薬師如来は医薬の仏で多くは病気平癒を願って祭られます。右手は恐れることはないという意味の「施無畏印(せむいいん)」、左手は薬の入った容器「薬壺(やっこ)」を持っている姿が一般的です。
薬王寺の薬師如来像は高さ約30cmで、厨子(ずし=ケース)の中に納まり、特別な開帳以外は、その姿を見ることはできません。薬師如来像の下部の墨書によれば、薬師如来像、十二神将像ともに、江戸時代前期 延宝8(1680)年、法橋左近の作と伝わっています。薬王寺第7代住職 音説和尚の時代です。
十二神将像は薬師如来と信者を守る十二体の武神像です。薬王寺の十二神将像は、それぞれ約40cmの高さの像で、様々な武具甲冑を装い、中央に祭られた薬師如来像を守護しています。十二神将像の頭上には時刻や方位を意味する十二支「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」を飾り、弓や槍、剣などの武具を持っています。ポーズも表情もひとつひとつ違います。
志久公民館の一角に佇む薬王寺。その中に鎮座まします 薬師如来像 と 十二神将像。ガラス扉があるため、また、薬師如来像は厨子(ずし=ケース)の中で見えませんが、十二神将像を良くご覧ください。像が小さいこともあり見え難いのですが、頭に十二支を飾り、いろいろなポーズで薬師如来様と信者を守ってくれています。あなたと同じ干支の十二神将像を見つけることができたら良いことが起こるかも知れません。
所在地 | 埼玉県北足立郡伊奈町小室6006 (志久公民館内薬王寺) |
その他 | できるだけ公共交通機関をご利用ください。 |
文化財指定 | 伊奈町指定有形文化財 (彫刻) 昭和56(1981)年1月20日指定 |